つるくったるVAPEポエムブログ

bro達はVAPEを、愛してやまないだろ!?映画やなんかもだろ!?

VANITAS / [I4U.]



商品名/VANITAS

フレーバー/シトラス·ウッド·ミント·ペッパー·タバコetc ..

PG:VG/50:50

◆ストア

https://i4u-liquid.stores.jp/items/611d0f3c2023972598416f4b?s=09



※リキッド、情報提供 [I4U.]







日常とは、ヒステリック·ジャーナルの連続だ。

私達は論理的な社会思考と直観的で非社会的な誘惑にポンポンされながら、

毎朝改札口に吸い込まれてゆくのである。

新しい言葉が毎日のように生まれて忙しく、

死ぬまでの間に自分がどんな言葉で生きてきたのか誰も知らない。










VANITASは大傑作である。

本当に困った。

このとりとめのなさの悦びに言葉が追い付かない。


以前レビューした『 』といいコレといい、自分とI4U.リキッドとの相性が良すぎてしまった。

最近はこんなリキッドばかりで死にたくなるんだよ、ハニー。

でもすぐに図々しく生き返るからね、ハニー。

君の部屋はカーナビに記されない都会?

I'm just a dreamer.






自分で買って、好き勝手書いてるうちはまだいい。

どんなことを書こうが、僕が死んだときに遺品整理で少し恥ずかしい思いをするだけで済むのだ。


しかし、提供依頼レビューとなると話は違う。

こんな僕にも責任があるのだ。

その際も極めて正直に書くのだが、前回書いたMKLabのアレといい今回のコレといい、

貶すところがないどころか、グサッと心に深く深く刺さってしまっているのである。

そんな状態であるのに、

敢えての逆張りは良い大人のすることではないし、とてもカッコ悪い。


まあ、だから、

吸ってもらいさえすればこの気持ちをわかってもらえると信じて、今日も元気にレビューである。

VANITASは素晴らしい。

大容量で買いたい。

はっきし言って、ユメジ大絶賛。


しかし僕にとってヴァニタスというのは、果たして知らない言葉だった。

それでヴァニタスとはなんだろうと疑問に思い、まずヴァニタスを知ろうと思ったわけです。

OKGoogle、ぼくの孤独を案じて。




◆ヴァニタスとは

ラテン語で「空虚」「むなしさ」を意味するそう。

人生の無意味さや、虚栄、虚飾のはかなさなどと深く結びついた概念とのこと。

また、人生の空しさの寓意である静物画のジャンル。



なるほど、そういうわけか。

道理で、リキッドから極めてオフビートを感じるわけだ。

それでいて、どこかとても華やかで軽やかだ。

吸えば吸うほどわからなくなるリズム。

とても美味しくてチェーンを繰り返したくなるのだけど、

汗ばんだ気持ちでVANITASを暴こうとするにつれて、僕はVANITASに迷い込んだ。

けれど、

それが正解であるような気がしている。

信号機の黄色の儚さみたいだ。

シートベルトは肌を締め付けながらテールライトを眺めていたんだ。







それで音が揺するほうへと耳をそばだてた時に、

そっと意識に働きかけてきたのが、VANITASのあどけないシトラスノート。

ビター寄りなこのシトラスはリキッドのフレッシュな甘さをほのかに担保するが、それもわずか一瞬のこと。


そしてサイレントにスイートな煙草が、まだ誰にもわからない言葉で囁く。

この煙草はムービー·スターのようにハートを鷲掴みにするが、ザラついた灰のようなしつこさはなく、

紙タバコが苦手な人達の嫌気を誘うような重たさもなく、

あくまでもリキッドのシルエットカラーを色濃くさせる作用に注力されている。

そう、シルエットというのは色があるものなのである。

モネが睡蓮を山程描いた時にそう言っていたそうなのだが、VANITASのシルエットもまさにそう。


さらにそこへ連なって潜む密やかなウッドの香りが、支えながら横恋慕のように奪ってゆく関係性。

60mlボトルに閉じ込められた寓意を誘うような密かな香りである。

それらをほどいた先の僅かなミントと、

我々をハッと現実に引き戻す、引き締めるペッパー。

悪党に身ぐるみを剥がされ、「レディーの前で無作法だ」と罵られるような不条理。

わからんな、それはそうだ。

まるで映画『コックと泥棒、その妻と愛人』みたいだ。

お前がチンなら俺はヴァギだ。

お前の花子を俺は太郎したい。

私達は不条理な物語を感性に落とし込んでゆける人間そのもの。

むき出しでいこう、VANITASを吸おう。




すごくシャープな抜け感のリキッドだと思うんですよね、VANITAS。

ペッパーの効き方にI4U.の職人技を感じます。

ペッパーという思いがけない取り合わせではあるけれど、これが強くも弱くもなく、実に良い。

吸い続けてリキッドの一体感を感じるうちに、浮気な尻でピュアに弾けるようなあどけなさを得られるようになる。


VAPEのリキッドでペッパーというのはなかなか珍しいように思うが、

VANITASではそれが和のアプローチで見事に成功している。

そしてVANITASは全体的に淡く、吸い心地を“全く”飽きさせない。

そう、全くなのだ。

キムタクではない。


淡くシャープな和のアプローチをもってしてVANITASは完成されているのだが、

それでいてどこか洋風レトロな雰囲気で織りなすミストの散歩も、丁寧に表現されている。

和洋折衷なこの不思議な体験を、bro達も是非。

迷子になって、わかった気がして、また突き放されて、キャメロン・ディアスで、VANITASだ。











今回、

このレビューを書くにあたり、I4U.の中の方からメッセージを頂いた。


____

◆I4U.中の方より


『当然今までも自分の好きなフレーバーを作ってきてはいるのですが、様々なアトマで試飲し調整しています。

しかし今回は完全に趣味に走り、自分の好きなものを好きなアトマイザーで作りました。

なので人は選ぶと思いますが、元々好きなビルドや環境を探して探求することでVapeを楽しんでほしいなという思いがありますので、

何味?分からん!と言いながら楽しんで頂けると本望です😊』

____


完全に趣味に走ったリキッドを僕ら吸えるって、メチャクチャ贅沢ですよね。

嬉しいな、ニコール・キッドマン。

パンクしそうだな、ケイト·ウインスレット。



そしてなんといっても、

『とりとめのなさ·儚さ』がこのリキッドの一番の売りであろう。

シトラスノートの華やかさはあるけれど、全体としてのフレーバー、ズドン!を期待してはいけない。

決してそういうタイプのリキッドではない筈である。

理解しようとすればするほど、突き放されるとりとめのない悦び。

それがまたいい。

もう会えないな、マレーネ·ディートリッヒ。

だけど人間はいつか死ぬから人生が豊かなのだ。

キムタクみたいなSMAPだ。




◆『 』との対比

僕の中ではVANITASは、同I4U.の『 』と対をなす位置付けである。

勿論I4U.さんがそう位置付けているわけでは決してない。

しかし、勝手にそう決めつけたくなるほど、ぼくは両方とも気に入ってしまった。

そして、似ている部分も確かにある。

しかし、あくまでも似て非なるリキッド。

そのどちらにも愛おしさを感じている。

だから今回リキッド選びの目安として、あくまで個人の感覚ではあるが両者を軽く比べてみた。


・『 』が静なら、VANITASは動。


・『 』がどこまでも妖しく穏やかであるのに対し、

VANITASは凛々しく切れ込むがとても儚い。


・同じ複雑タバコ系なのだが(括るのもアレだけど)、

『 』のタバコは灰感として感じやすく、

VANITASのタバコはどちらかというと全体の支えとして甘めに存在している。


・どちらもクセがあるが、VANITASはライトなクセ感、『 』はもう少しだけクセが強い(ただしヘビーではない)。


・『 』はVANITASにはないボタニカルがある。


・VANITASは『 』よりもフルーツ感(シトラス)が強い。



両者、根本的に似通う部分もあるのだが、

リキッドアプローチが全然違う。

これは是非試してみてもらいたい。

どちらも非常に繊細に作られており、

どちらがどちらのアナザーストーリーでもある。


VANITASも『 』も、ベイパーを緩やかに煙に巻くようなミストになるのだが、

その根元にあるのは、I4U.ならではの独特なテイストに端を発しているように思う。

口当たりとしては全体的にサラッとしているのだが、

単純に味が薄いわけではなく、ただ淡白なわけでもなく、

非常に穏やかでありながらも繊細さと複雑さを備えながら、華やかな世界観の期待へと昇華させる力がある。

耽美なスッキリさ、かな。

言語化するのは困難なのだが、

僕がハマったこの二つのリキッドの間には、こういった血脈が確実に流れている。

そしてこの物凄く強い武器を、身に余すことなく届けてくれるI4U.。

ネオ·オールデイ·ベイプ。


I4U.で試せていないリキッドはまだまだあるのだが、

複雑繊細系ADVという事に関してVANITASも『 』も、メーカーを代表する看板娘になっているのではないだろうか。





◆ビルド


コットンビルドではポップに、ジェネシスビルドでは解像度を。

どちらも美味しい。

VANITASに備わる無限大の可能性。

それはまるで、様々なアーティストに様々なアレンジでカバーされる曲のようでとても楽しい。


僕はジェネシスビルドに落ち着いたのだが、ビルドというのはbro達の数だけあるものである。

なのでbro達も、是非このリキッドを手にとって色々試してみてもらいたい。

そういうわけで、

例によって今回のレビューでも、自分が試したセッティングを細かく書いていない。

めんどくさいわけじゃないんだぞ!

いやでもゴメン、今回は低抵抗だけ試してない!

自分の好みとして、あんまりバチ焚きにして吸うリキッドでもないかなって思っちゃった。

あと、VANITASはガンクも全然付かない。

お前の花子が俺を太郎にするんだぜ。





◆まとめ

僕は自分とI4Uリキッドとの相性が、物凄く良いと感じている。

メチャクチャ好きかもしれない。

ずっと好きだったんだぜなんて言うつもりもない。


先に触れた事ではあるが、I4U.リキッドの全てを試したわけではない。

しかしながら『 』といい、

そして今回のVANITASといい、

チェーンするVAPEを前提に作られているようなリキッドには、愛を感じられずにはいられない。

VANITASは言わば、ネオ·オールデイ·ベイプリキッド。

表面だけを浚うような浅さはひとつもなく、吸えば吸う程にわかってくる深さばかり。

万人受けするメロディーではないが、吸う者の観念に訴えかけてくるグルーヴ感溢れたリキッドである。

まるでレディオヘッドの曲みたいだね。

いや少し違うか、まあいいや。

まるでレディオヘッドの曲みたいだな。


VANITASはvagabond vapourのサントリーニサンライズ、ANTHILLのゼストが好きな人には物凄く刺さるのではなかろうか。

それはまるきり僕のことなのだが、これを読んでくれたbro達と同じ気持ちを分け合えたならばとても嬉しい。


最後に、

本文で少し触れたが、このリキッドを吸って思い出したのが映画『コックと泥棒、その妻と愛人』だった。

デカダンなムードのあの映画に、VANITASは非常に合いそうだ。気になった人は是非観て欲しい。

ちなみにあの映画、妻と愛人のファーストコンタクトでは一切会話をせず、いきなりまさぐり合うのである。

思い付くまま色々書いたけれど、

VANITASに対しても、それでいいんじゃないかと思った。

何も難しく考えず、まずは赴くままに身を委ねてみては如何だろうか。